GDP対応クラウド型
温度監視システム導入事例
インタビュー
株式会社メディセオ
ロジスティクス本部 GDP統括部 様
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- 株式会社メディセオ
- GDP統括部
- 部長
- 友藤 喜章 様
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- 株式会社メディセオ
- GDP統括部 GDPグループ
- マネジャー
- 新田 友美 様
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- 株式会社メディセオ
- 埼玉統括営業部 埼玉薬事グループ
- マネジャー
- 坂口 剣英 様
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株式会社メディセオ
https://www.mediceo.co.jp/ - 医療用医薬品、医療機器、医療材料、臨床検査試薬等の卸売業
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株式会社メディセオ様は、東京都中央区に本社を構える医療用医薬品や医療機器の卸売業界で国内を代表する企業です。
GDP統括部では、医薬品の適正流通(GDP)ガイドラインに基づき、品質管理における先進的な取り組みを推進されています。
その一環としてS3プラットフォームを活用し、GDP対応クラウド型温度監視システム(PoE温度ロガー G-TAG TempView + クラウドシステム LogView)を導入されました。
本システムの導入により、全国に点在する物流センターにおける温度管理の課題を解決し、生産性の飛躍的な向上を実現させ、品質管理の次元を一段と高められました。
医薬品保管倉庫内の温度監視システム
医薬品流通のあるべき姿を追求した高機能物流センターにて
温度トレーサビリティの完全化を目指す取組み
GDP対応クラウド型温度監視システムの
導入について
~物流センター内温度監視に
関する課題と解決~
株式会社メディセオ GDP統括部が
温度監視システムに求める3つの要件
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全国にある物流センター温度の集中監視
市場にある既存の温度監視システムでは人手が必要で、本部から各センターの温度管理をリアルタイムで一括監視するのが難しく、問題発生時には情報共有や対応に時間がかかっていた。
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温度センサの設置場所を変更する際の対応
GDPガイドライン対応には、定期的な温度マッピング測定と、それに基づく常設センサ設置箇所の見直しが必要だが、無線式は通信・給電の問題で使えず、有線式は増設や移設の際に大規模な工事が必要だった。
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有事の際も途切れない温度記録のしくみ
医薬品の温度記録は、自然災害時でも途切れてはいけないが、一般的な温度ロガーはAC電源か電池駆動のため、長期の安定測定と停電時のバックアップを両立するのは困難だった。

クラウド型温度監視システムでの
課題解決
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データ一括監視で作業効率性の大幅改善へ
クラウドによる温度データ一括管理により、いつでも、どこからでもリアルタイムに温度監視ができる仕組みを構築し、さらにアラート通知機能によって迅速な現場対応ができるようになった。
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どこにでも設置可能な温度ロガーを採用
PoE方式を採用した温度ロガーにより、LANケーブルさえあれば給電とデータ通信が確立できるため、温度ロガーの移設や増設時にも容易に対応ができるようになった。
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いつでも確実な温度記録を実現
停電やネットワーク障害時は、自動的にロガー内部のバックアップメモリ記録に切り替え、インフラ復旧後に、記録された温度データを順次サーバに自動転送することで、有事の際でも途切れない温度記録ができる仕組みを構築した。
「これら3つの要件を含む温度監視システムを見つけることはできませんでした。
また、温度測定を行う温度計の性能や信頼性、温度校正、保守への対応も重要なポイントです。
新型コロナウイルスワクチンの保管や配送で、神栄テクノロジーの温度ロガーG-TAGが使用され、高い信頼性が実証されました。
このロガーをベースに、弊社の要望に対応するモニタリング機器とシステムを開発できないかを神栄テクノロジーに依頼しました。

1つめの要件については、各センターに加えてGDP統括部でもデータを閲覧可能なクラウドシステム LogViewを開発いただきました。
温度データやグラフの閲覧、アラート発報機能、倉庫温度の逸脱やセンサ自体の異常があった際のアラート履歴表示、またログインなどの証跡機能があり、セキュリティ面にも配慮されています。
温度データはクラウドで一定期間保管されるため、トレーサビリティの確保や定期的な確認がクラウド上で容易に行うことができます。
2つめの要件については、温度ロガーの電源供給と通信にPoE(Power over Ethernet)方式を採用したことで、容易にセンサを移動することができるようになりました。
途切れない温度記録という点では、温度ロガーにバックアップ用バッテリーとバックアップ用メモリが搭載され、停電など有事の際も、温度測定と測定データの記録が維持できる仕組みが出来たことで、3つめの要件が満たされました。」(新田様)

クラウドシステム「LogView」

PoE温度ロガー G-TAG TempView(型式:GT101-T)

バックアップ電池:日本ガイシ製「EnerCera®(エナセラ)」
※ EnerCera®は、日本ガイシ株式会社の登録商標です。
GDP対応クラウド型温度監視システムの
導入について
~導入後の現場の声~
「以前は温度データを確認するために記録計が設置された場所に行く必要がありました。システム導入後は、自分の席のパソコンで簡単に確認ができるようになり、業務が効率化しています。

何か異常があった場合、以前は、状況確認とその対応に時間を要していましたが、今はGDP統括部、各センターの管理者、現場、それぞれがリアルタイムで状況を共有することができ、社内連携がスムーズになりました。
アラート発報はスマートフォンに通知され、その後すぐに温度データを確認できるため、迅速に対応ができ、確認に必要な時間が大幅に削減できています。
10年間分の温度データが記録され、過去のデータがLogViewで確認でき、必要な時にすぐに調べたいデータを閲覧できるため、分析や傾向の確認が容易になりました。
また、ペーパーレスにもつながり、紙ベースのデータに比べて、ファイリングなどにかかる時間や保管場所が無くなり、エコにつながっています。」(坂口様)
Before
- 定期的な温度確認のため、毎回記録計の設置箇所に行く必要があった。
- 温度異常発生時、リアルタイムに状況を把握できなかった。
- 拠点間での温度状況が共有化できていなかった。
- データ用紙のファイリング作業や保管にコストや時間が掛かっていた。



After
- 自分の席のPCで、簡単に温度確認できるようになった。
- アラート通知により、温度異常をすぐに確認できるようになった。
- 各拠点間でリアルタイムに状況を共有できるようになった。
- ペーパーレス化を実現し、作業性・コスト面で改善できた。


GDPガイドラインに準拠する
システムの活用で
品質管理をさらに高める取り組み
「医薬品の品質管理は、全流通経路におけるトレーサビリティが重要です。今回の温度監視システムを弊社の全ての物流センターに導入し、GDPに準拠した品質管理をさらに高めてまいります。
神栄テクノロジーのスマートセンシングプラットフォーム『S3 PLATFORM』と連携することにより、将来的に卸から医療機関、さらには患者さんのご自宅までの全行程において、一気通貫の温度トレーサビリティと医薬品流通過程の可視化が実現できると考えています。
流通過程のすべてにおける医薬品品質管理の更なる向上へ貢献していきたいと考えています。」
(友藤様)

株式会社メディセオ ロジスティクス本部
GDP統括部様での
「クラウド型温度監視
システム」検討から導入までの流れ
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01物流センターにおける現状課題をヒアリング
物流センターにおける温度管理の現状課題と、運用面で必要な機能を確認し、最適なソリューション(温度マッピング+クラウド型温度監視システムの開発)を提案。
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02システムの要件定義と現場確認
開発するシステムの要件定義を行い、仕様決定後、物流センターでの現場確認を実施。想定される設置ポイントやネットワーク設定、アラートの通知先などを確認。
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03温度マッピングを実施し、センサ設置ポイントを選定
温度ロガーの設置ポイントを選定するため、当社にて温度マッピングサービスを実施。倉庫内温度のワーストポイントを確認した上で、今後の温度監視ポイントとして選定。
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04クラウド型温度監視システムの運用開始
クラウドシステム LogViewと、PoE温度ロガー G-TAG TempView(型式:GT101-T)を開発。温度マッピングの結果に基づいて、温度ロガーを設置し、クラウド型温度監視システムの運用を開始。
製造・物流の品質管理を効率化しながら
信頼性を向上するDX化への
取り組みを支援します